JFMC07-8601 (特定研究7)

タイトル;大腸癌術後補助化学療法剤としてのフッ化ピリミジン系薬剤の有用性に関する臨床比較試験

  • 第Ⅰ法・大腸癌治癒切除例を対象とし、MMCの導入治療法ならびに間歇投与に加え、5-FUまたはUFTの長期投与を行なうことの有用性に関する臨床比較試験
  • 第Ⅱ法・大腸癌治癒切除例を対象に、MMC静注とHCFUの併用療法の有用性に関する臨床比較試験

集積期間;1986.2~1988.12

集積症例数;3394症例、 生存率解析症例数;3218症例

報告書提出:1996.6

治療スケジュールと結果;

  • 第Ⅰ法(結腸)
    • T7.h1
      結果;

      • 登録症例869例、解析対象症例823例、overall 生存率(5年)は治療群80.1%、手術単独群78.7%と両群間に差を認めず、overall無再発生存率(5年)も治療群78.1%、手術単独群77.4%と差を認めず、結腸癌におけるMMC、5-FU併用治療の補助化学療法としての有用性は認められなかった。
  • 第Ⅰ法(直腸)
    • T7.h7
      結果;

      • 登録症例834例、解析対象症例793例、overall 生存率(5年)は治療群70.3%、手術単独群66.3%と治療群がやや良好であったが有意差は認めなかった。overall 無再発生存率(5年)は治療群69.1%、手術単独群59.3%と治療群が有意に良好であり、特に病期の進行した症例(Dukes C+D)でこの傾向は顕著であった。また、局所再発率では治療群11.6%、手術単独群19.0%と治療群で有意に低率であった。直腸癌におけるMMC、UFT併用療法は無再発生存率を高め、局所再発率を低下させ、手術補助化学療法としての有用性を示唆する結果であった。
  • 第Ⅱ法(結腸)(直腸)
    • T7.h8
      結果;

      • (結腸癌);登録症例978例、解析対象症例926例、overall 生存率(5年)は治療群79.3%、手術単独群76.4%、また、overall 無再発生存率(5年)は治療群77.6%、手術単独群75.3%と何れにおいても治療群がやや良好であったが、両群間に有意差は認めなかった。但し、進行した病期(Stage Ⅳ+Ⅴ)においては治療群の生存率が手術単独群より有意に良好であった。結腸癌におけるMMC、HCFU併用療法は、進行した病期(Stage Ⅳ+Ⅴ)の手術補助化学療法として有用性が示唆された。
      • (直腸癌);登録症例713例、解析対象症例676例、overall 生存率(5年)は治療群69.7%、手術単独群68.4%と差を認めず、また、overall 無再発生存率(5年)は治療群65.6%、手術単独群61.6%と治療群がやや良好であったが、有意差は認めなかった。直腸癌におけるMMC、HCFU併用療法は手術補助化学療法としての有用性は認められなかった。