JFMC05-8502 (特定研究5)

タイトル;

  • 胃がんに対するPSKまたはOK-432を用いた補助免疫化学療法の最適の組み合わせに関する比較臨床試験

集積期間;1985.10~1987.9

集積症例数;2149症例(第1法668症例、第2法779症例、第3法702症例)

解析対象症例数;2094症例(第1法651症例、第2法763症例、第3法680症例)

報告書提出:1998.9

治療スケジュールと結果;

  • 第1法、第2法、第3法いずれの検討においても、全体として各群間に生存率の差は認められなかったが、その詳細は次の通りである。
    • 第1法
      • 抗癌剤としてtegafurをベースに経口投与し、tegafurのみの群(A群)、BRMとしてPSK(B群)、OK-432(C群)を加えた群の3群で比較試験を行った。S2、S3の651例について解析を行い、次のような結果を得た。
        • 1)副作用については骨髄障害、肝機能障害などがみられたが、その発現率については3群間には差は認められなかった。
        • 2)5年生存率はそれぞれA群47.0%、B群52.8%、C群49.3%であり、B群で高い傾向にあったが有意差は認められなかった。pTNMステージ別の検討においてもⅢa、ⅢbのB、C群が高い傾向にあったが、有意差は認められなかった。
    • 第2法
      • BRMとしてPSKをベースに経口投与し、抗癌剤としてtegafur投与(A群)、5-FU投与(B群)、carmofur投与(C群)を加えた3群間で比較試験を行った。S2、S3の763例について解析を行い、次のような結果を得た。
        • 1)副作用については骨髄障害が最も多かった。発現率について3群間で有意差が認められたものはHb減少(P=0.002)、意識異常(P=0.015)、末梢神経障害(P=0.009)であり、Hb減少がA群、C群で高く、意識異常、末梢神経障害がC群で多くみられた。
        • 2)5年生存率はそれぞれA群54.1%、B群54.1%、C群54.9%であり、3群間に有意差は認められなかった。
    • 第3法
      • BRMとしてOK-432をベースに投与し、抗癌剤としてtegafur投与(A群)、5-FU投与(B群)、carmofur投与(C群)を加えた3群間で比較試験を行った。S2、S3の680例について解析を行い、次のような結果を得た。
        • 1)副作用については骨髄障害が最も多かった。発現率について3群間で有意差が認められたものは白血球減少(P=0.007)、意識異常(P=0.037)、末梢神経障害(P=0.029)であり、白血球減少がB群で高率に、意識異常、末梢神経障害がC群で高率にみられた。
        • 2)5年生存率はそれぞれA群54.8%、B群47.4%、C群49.4%であり、3群間に有意差は認められなかった。