タイトル;
- 第1法・治癒切除胃がんに対するフッ化ピリミジン系薬剤の比較臨床試験
- 第2法・治癒切除胃がんに対するMMC及びMFCによる導入療法の比較臨床試験
- 第3法・非治癒切除胃がんに対するフッ化ピリミジン系薬剤の比較臨床試験
集積期間;1983.9~1985.10
集積症例数;4,236症例(第1法2,231症例、第2法865症例、第3法1,140症例)
解析対象症例数;4,028症例(第1法2,126症例、第2法825症例、第3法1,077症例)
報告書提出:1997.6
治療スケジュールと結果;
- 第1法
- A群;手術日および翌日にMMC 0.4mg/kg、0.2mg/kgをone shot静注。
- B群;手術日および翌日にMMC 0.4mg/kg、0.2mg/kgをone shot静注。
術後14日後からtegafur 600mg/dayを12ヵ月間経口投与。
- C群;手術日および翌日にMMC 0.4mg/kg、0.2mg/kgをone shot静注。
術後14日後より5-FU 150mg/dayを12ヵ月間経口投与。
- D群;手術日および翌日にMMC 0.4mg/kg、0.2mg/kgをone shot静注。
術後14日後よりHCFU 400mg/dayを12ヵ月間経口投与。
- 結果;5年生存率はA、B、C、Dそれぞれ49.9%、47.4%、48.3%、46.3%で、群間に有意差なし。
- 第2法
- P群;術後1ヵ月目よりtegafur 600mg/dayを12ヵ月間経口投与。
- Q群;術後1週目よりMFC(MMC 0.04mg/kg、5-FU 5mg/kg、cytarabine 0.4mg/kg)週2回、計8回投与。その後術後1ヵ月目よりtegafur 600mg/dayを12ヵ月間経口投与。
- R群;手術日および翌日にMMC 0.4mg/kg、0.2mg/kgをone shot静注。
術後1ヵ月目よりtegafur 600mg/dayを12ヵ月間経口投与。
- 結果;5年生存率はP、Q、Rそれぞれ42.0%、47.0%、48.5%で、単純logrank検定では3群間に有意差はなかったが、層別Cox回帰法ではR群はP群よりも有意に生存率は高かった。
- 第3法
- 絶対非治癒切除群に対して
- E群;Q群と同様にMFCを週2回、計8回投与後、術後1ヵ月目よりtegafur 600mg/dayを術後23ヵ月間経口投与。
- F群;E(Q)群の投与に加えてさらに術後1ヵ月目よりMMC 0.2mg/kgを2ヵ月毎にone shot静注し、23ヵ月間継続する。
- G群;術後1週目よりMFC療法を週2回、計8回投与。その後術後1ヵ月目より5-FU 200mg/dayの23ヵ月間経口投与し、MMC 0.2mg/kgを2ヵ月毎にone shot静注を併用。
- H群;術後1週目よりMFC療法を週2回、計8回投与。その後HCFU 600mg/dayの23ヵ月間経口投与し、さらに同期間MMC 0.2mg/kgを2ヵ月毎にone shot静注を併用。
- 相対非治癒切除群に対して次の4群を設定。
- W群;E群に同じ
- X群;F群に同じ
- Y群;G群に同じ
- Z群;H群に同じ
- 結果;5年生存率はEW、FX、GY、HZそれぞれ9.5%、8.0%、7.0%、10.3%で、群間に有意差なかった。
総括;
- 胃癌の術後補助化学療法として生存率に影響を与える可能性のあるものは、術後の導入療法、とくにMMCのbolus療法であり、維持療法の延命効果は本研究の投与スケジュールでは明らかではなかった。