タイトル;成人急性骨髄性白血病および成人急性リンパ性白血病に対する寛解導入、地固めならびに強化療法に関する共同研究
集積期間;1983.4~1985.3
集積症例数;631症例(AML(急性骨髄性白血病);433、ALL(急性リンパ性白血病);198)
評価可能症例数;526症例(AML;360、ALL;166)
報告書提出:1995.2
AML;治療スケジュールへ、結果へ ALL;治療スケジュールへ、結果へ
AML(急性骨髄性白血病)
BH-AC; | behenoyl cytosine arabinoside |
DMP; | daunorubicin(DNR), 6-mercaptopurine(6MP), prednisolone(PSL) |
AMP; | aclarubicin(ACR), 6-mercaptopurine(6MP), prednisolone(PSL) |
治療スケジュール;
*2コース実施後も完全寛解が得られない時はRegimen Bに変更する
*2コース実施し、原則としてその間にMTX 10mg/m2 (Max:15mg)髄注を2回施行する。
*上記の強化療法を原則として6週間毎に実施し、治療期間は2年間とする。
*2コース実施後も完全寛解が得られない時はRegimen Aに変更する
*2コース実施し、原則としてその間にMTX 10mg/m2 (Max:15mg)髄注を2回施行する。
*上記の強化療法を原則として6週間毎に実施し、治療期間は2年間とする。
結果;
BH-AC・DMP | BH-AC・AMP | p値 | |
完全寛解(CR)率 | 63.70% | 53.90% | 0.0587*1 |
生存期間中央値 | 15.8ヵ月 | 9.5ヵ月 | |
7年生存率 | 19.30% | 20.20% | 0.0091*2 0.196*3 |
CR例の無病生存期間中央値 | 15.4ヵ月 | 14.1ヵ月 | |
CR例の7年無病生存率 | 21.10% | 27.70% | 0.851*2 0.439*3 |
FAB分類別の完全寛解(CR)率 | |||
M3 | 67.90% | 31.80% | 0.0113*1 |
M1、M2、M4、M5、M6 | 63.30% | 57.00% | 0.2746*1 |
副作用 | < |
*1:χ2 検定 *2:generalized Wilcoxon 検定 *3:logrank 検定
長期生存率に関する限りはBH-AC・AMP療法はM1、M2、M4、M5においてはBH-AC・DMP療法と同等の抗白血病効果がある。
ALL(急性リンパ性白血病)
AdVP; | doxorubicin(ADR), vincristine(VCR), prednisolone(PSL) |
LーAdVP; | AdVP, Lーasparaginase(LーASP) |
治療スケジュール;
*地固め療法を2回施行するが、地固め療法と地固め療法の間に原則として
cranial irradiation 2000rad+MTX 10mg/m2(Max:15mg)髄注を3回施行する。
*維持療法と強化療法の間に2週間の休薬期間をおき、治療期間は2年以上可及的長期間とする。
結果;
AdVP | L-AdVP | p値 | |
完全寛解(CR)率 | 63.10% | 64.60% | 0.837*1 |
生存期間中央値 | 12.7ヵ月 | 16.0ヵ月 | |
7年生存率 | 22.30% | 21.20% | 0.955*2 0.952*3 |
CR例の無病生存期間中央値 | 13.5ヵ月 | 17.0ヵ月 | |
CR例の7年無病生存率 | 23.80% | 30.60% | 0.141*2 0.300*3 |
FAB分類別の完全寛解(CR)率 | |||
L-1 | 80.00% | 72.10% | 0.0012*1 |
合併症(膵炎) | < | 0.0559*1 |
*1:χ2 検定 *2:generalized Wilcoxon 検定 *3:logrank 検定
以上からAdVPにおけるL-Asparaginase の上乗せ効果は認められなかった。