(公財)がん集学的治療研究財団 メールマガジン「JFMCからのメッセージ」 vol.20
 
今月のコラム
 
池田 徳彦 氏

がん集学的治療研究財団
評議員
東京医科大学
呼吸器・甲状腺外科学分野
主任教授 池田 徳彦

近年の研究技法の開発はめざましく、ハイスループットの解析による大容量のゲノミクスデータの把握が可能となり、この過程は薬物治療選択のための日常的な作業となりつつあります。臨床試験も新規治療と標準治療を比較して、新たな標準治療が誕生するかを検証する目的とともに、個別化医療が治療効果や副作用軽減に優れることを評価することが強調されてくるでしょう。昨今は基礎と臨床の伴走で成立している臨床試験も多く、これに携わる臨床医の研究マインドが涵養されることを強く期待いたします。
私も臨床試験を通して知識と技術を修得した一人であります。試験の背景、先行研究を学ぶとともに、医学統計や研究倫理にも触れることができました。主治医としてエントリーされた患者さんを自分なりに真剣に診察するようになります。臨床試験を通して医師はより多くを学び身につけるという考えは今も変わりません。
新薬が開発されると、効果の判定とともに安全対策にも力が注がれます。特殊な副作用の存在を念頭に置きながら、その症状が疑われた際は関連診療科に診察を依頼します。看護師、薬剤師も当然同様な意識を有しながら診療を行い、Cancer Boardや研究会では診療領域や職域を超えて情報を共有します。ゲノム医療時代ゆえ、時には基礎研究者も姿を見せます。医学の進歩によって新たな時代のチーム医療が始まったことを実感するとともに、この日常が施設自体の総合力を強化すると確信しております。 がんゲノム医療が臨床に深く浸透していくにつれ、得られた検体には更に多様な解析が施され、臨床情報との関連を探索するには患者さん一人分でもかなりの膨大なデータ量となります。従って大規模試験の参加者全員の解析や統合にはAIの使用が必須となることでしょう。AIは医療のさまざまな局面で使用されることが想定されており、たとえば画像診断領域ではAIにより病変の質的診断、悪性疾患の組織型判定、予後推定を行うことが熱心に研究されています。画像だけで診断から予後、遺伝子変化までを把握できるRadiogenomicsの時代も到来しつつあります。
がん診療が基礎と臨床、多領域・多職種の連携のみならず、先進機器の導入など、新たな局面が到来しております。JFMCの一員として新時代の医療、臨床研究を応援していけるよう努力したいと思います。

 
   
前原喜彦理事長が、九州大学大学院 消化器・総合外科を退任されました!

会場風景

前原喜彦理事長が平成30年3月をもって九州大学大学院消化器・総合外科教授を退任されました。平成14年10月に第7代教授に就任されてから、15年5カ月の間、「一に人格、二に学問」を教室訓とし、臨床・教育・研究に全力を注いでこられました。
ご退任にあたり、平成30年2月16日に最終講義が、また3月17日には退任記念講演会及び記念祝賀会が行われました。

前原理事長 最終講義掲載文 【m3.comより引用】
   
m3.comから許可を得て掲載させて頂いております
 
第16回理事会を開催しました

去る3月1日に第16回理事会を開催致しました。
平成30年度事業計画並びに収支予算についての審議が行われ、臨床研究法施行(平成30年4月1日)に伴い、法令に従い適切に研究実施するための議論を行いました。また、新規事業(JFMCデータベース事業)のデータベース構築に向けて活発な意見交換があり、その他医療機器事業ついて活動報告がありました。

 
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SSO 2018 発表報告

会場風景

 この度は2018 年3月アメリカのシカゴで開催されたSociety of Surgical Oncology (SSO) 2018において、Daikenchuto for Postoperative Bowel Dysfunction After Open Abdominal Surgery: A Pooled Analysis of Three Randomized Controlled Trials(大建中湯の統合解析)を発表させていただきました。
 ポスター発表当日、海外の先生方も多数、足を止めてご覧になられ、皆さんから美しく、興味深いデータだとお言葉をいただきました。日本発のKAMPOが認知されてきていることを実感した次第です。ハンドアウトをポスター横に準備しておりましたが、会場を後にするときに確認いたしましたところ、ほぼ全てが無くなっており、SSO参加者にも興味をもっていただけたのではないかと思います。

徳島大学 消化器移植外科 西 正暁

 
 
 
当財団の症例集積状況
 
  JFMC49-1601-C5  症例集積中です!
      食道癌患者へのDCF療法時における成分栄養剤の口腔粘膜炎抑制作用の検討
      −エレンタール©非投与群を対照群としたランダム化第Ⅲ相比較臨床試験(EPOC2 study)−
 
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  JFMC51-1702-C7  症例集積中です!
      標準化学療法に不応・不耐の切除不能進行・再発大腸癌に対するTFTD(ロンサーフ©)
      +Bevacizumab併用療法のRAS遺伝子変異有無別の有効性と安全性を確認する第Ⅱ相試験

 
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      ★今まで行われた当財団の臨床試験一覧についてはこちらから(詳細がPDFでご覧いただけます)

 
 
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感謝を込めて
 
ご協力を頂きました企業様には、ご支援のお礼を兼ねて各企業様のロゴマークを当財団の季刊誌であります、「がん集学財団ニューズ」や刊行物、ホームページに掲載させて頂き、御社のロゴマークから御社のホームページにリンクを貼らせて頂きます。
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