第53回日本癌治療学会総会での「特別緊急シンポジウム」

現状では市販後自主的臨床試験が日本から消えるかも!

緊急企画趣旨:日本では、ディオバン事件以来、社会情勢が大きく変化し、国の医学研究に関する倫理指針と規制が強化され、製薬企業を中心とした寄付金や賛助会費の大幅減額が進み、研究者主導臨床試験が実施困難で、企業からの新規委受託研究も提案が皆無に近いという想定外の事態が発生しています。幸い、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が創設され、その中で「次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム」と「革新的がん医療実用化研究事業」が稼働しています。前者は、創薬の開発につながる応用研究に重点が置かれています。後者は臨床面が主体で、領域5には「新たな標準的治療を創るための研究」が取り上げられ、第3相試験や研究者主導型臨床試験が取り上げられています。これらの事業には膨大な研究費が投入されていますが、対象は大学や一部組織であり、我々はじめ研究事務局を持たない組織は、多くのエビデンスを得てきたにもかかわらず、通常の申請が困難な状態です。
一方、医学倫理規制からも、製薬企業の多くが臨床試験グループに対して、従来の支援ができない環境となり、かつ新規抗がん剤の多くがパテント切れ状態になるため、市販後臨床試験への積極的な支援や協力が得られ難く、結果として日本から市販後臨床試験が消える可能性を危惧し特別緊急シンポジウムを企画しました。

日程:10月30日(金)の16:30-19:30 (180分)、
会場:グランドプリンスホテル ゴールドルーム(第19会場)

司会: 佐治重豊 (公益財団法人 がん集学的治療研究財団)
古河 洋 (特定非営利活動法人大阪消化器がん研究グループ)
中島聰總 (特定非営利活動法人 日本がん臨床試験推進機構)
S8-1
自主的地域型臨床試験グループOGSGでの実績と将来展望
市立貝塚病院名誉院長 辻仲利政
S8-2
標準治療は、治験ではなく、研究者主導市販後臨床試験により確立される
高知医療センター腫瘍内科、副院長/科長  島田安博
S8-3
日本医療研究開発機構(AMED)におけるがん研究事業の概要について」
AMED戦略推進部がん研究課  佐藤礼子
S8-4
抗がん剤:適正使用ためのエビデンス創出を考える -育薬における製販後臨床試験の役割-
日本製薬工業協会、医薬品評価委員会  稲垣 治
S8-5
患者(国民)のための市販後臨床試験の国家戦略的推進を!
がん研究振興財団、元厚生労働省健康局長  外山千也
S8-6
市販後臨床試験を知ろう、声を上げよう ! ~患者に合った有効で安全な治療法を得るために~
特定非営利活動法人がんと共に生きる会代表  濱本満紀
S8-7
日本が進むべき市販後臨床試験とは、社会に貢献するために!
日経BP社日特命編集委員  宮田 満
総合討論(対応策立案等)
特別発言
公益財団法人 大阪癌研究会  田口鐵男